特進Sコースより

教科横断授業

現在、1年生の地理総合では、「資源・エネルギー問題」の学習が始まりました。

今回は、「石炭」について学びました。

 

石炭は、産業革命期に蒸気機関が動力として用いられるようになってから需要が急増し、現代においても主要な燃料のひとつとなっています。

 

授業では、石炭とはどのようなものか(地理)、蒸気機関の発明が世界にどのような影響をおよぼしたのか(歴史)、という観点に加え、そもそも蒸気機関とはどのような仕組みなのか(物理)を社会と理科の先生が解説しました。

 

20世紀には、石油が石炭に代わる燃料として注目されましたが、石油の需要が増えた今でも石炭の需要が減らないのは、電力をつくるためです。

世界で発電される電力の6割は火力発電によってつくられており、その燃料には石炭が用いられます。

 

火力発電には、中学でも履修する「電磁誘導」の原理が用いられています。磁石のN極をコイルに近づけると、瞬間的に電流が流れるというものです。火力発電では、蒸気の力でタービンを高速回転させ、この現象をおこし続ける仕組みになっています。電磁誘導における発電は電気の流れが周期的に変化しており、その速さは「ヘルツ」という単位で表されます。ちなみに東日本では1秒に50回、西日本では60回だそうです。

中学で電磁誘導の実験をしたことのある生徒もおり、生徒たち同士でも言葉を交わしながら、学習したことが結びついていくことを楽しんでいる様子でした。

 

このコースは一般受験を目指して勉強に取り組むことを掲げていますが、受験に向けた勉強の中でも、知識が繋がり視野が開けていく体験をしてほしいと考えています。今回は「石炭」を地理・歴史・物理の分野から学びましたが、広げようとすれば、まだまだ拡大できます。どの科目にも一生懸命に取り組むことで、科目の垣根はあるようでないことに気づいてくれると思っています。